笑顔の行方
チュッ。

オデコにソッとキスをすると………

「彰人君、おはよう。」と………

さして、驚きもせず。

パチリと目を開けた。

「おっ…………おぉ…………。
……………………………おは…………よう。」

面食らったのは、むしろ俺で。

挨拶もソコソコに…………

ベットから、降りる羽目になった。

クスクス。

クスクスクスクス。

いつもは、寝ぼけ眼の寧々。

なのに今日は。

沢山の笑顔を振り撒いて、しっかりと起きている。

……………………………………どういうことだ??

状況が分からず、戸惑う俺に目線を合わせて座ると。

「彰人君。
びっくりした??
私、お寝坊さんじゃないんだよ!
ママの命令で、騙してたの!!
もぅ、毎朝大音量の目覚ましに苦しめられて………
たいへんだったんだから!
あぁ~良かったぁ!
これで、煩い毎朝から卒業できる!!!!」

目覚まし攻撃から解放されたと

上機嫌な寧々。

…………………お寝坊じゃない??

ママの命令??

何故そんな嘘をついたのかは、分からないけど。

おばさんがさせたっていうのは…………納得がいった。
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