笑顔の行方
「ネェ、彰人君。
どうして寝たふりしてたか、聞きたくないの??」

「………………………べつに。」

不機嫌な俺の何が楽しいのか、ずっと笑う寧々。

「それより俺は。
いつから平気で寝たふりをする、ズルい女になったのかが知りたいよ!
俺の愛した寧々は
素直で純粋で…………………
寧々?
寧々ちゃん??
寧~々。」

「…………………どうせ………素直で純粋じゃないですよ…………。
こんな女の子なんて…………嫌だよね?」

…………またしても…………泣かせてしまった……………。

学習能力がない…………。

「ごめん、寧々!
俺が言い過ぎた!!
ごめんね。
本当に…………ごめん!!!」

土下座の勢いで頭を下げる俺に。

クスクスと笑いながら。

「ホント、学習能力がないんだから~」と笑顔を見せた。

一瞬、騙された??

とも思ったが。


目には、涙の雫が溜まってた。

「ホントに………ごめん。」

ギュッと抱きしめる俺に。

「ホントに反省した?
だったら、許してあげる!」と言って

今度は寧々から。

ギュッと抱きついてきた。

…………………どっちが年上だよなぁ。

もしかしたら俺は。

スゴく年下で、ちょっと年上(心が。)の彼女をものにしたのかもな。

だったら………

ホントに理想の彼女だ。
< 14 / 143 >

この作品をシェア

pagetop