最初で最後の愛の話
永遠を誓う時は嬉し泣き
ウェルナー症候群の症状は、思春期を過ぎてから始まるらしい。僕は花山さんの病気をたくさん調べ、小説を書き始めた。

そうしているうちに季節は巡り、僕たちは高校を卒業した。

僕は文芸学科のある大学に進学し、花山さんもスタイリストになるために専門学校に通うこととなった。

「もう高校卒業したんだし、これからは名前で呼ぼうよ」

卒業式が終わった後にそう言われ、顔を赤くしながらお互いの名前を呼び合った。

お互い違う学校へ進学したけど、高校生だった頃と同じように時間を作っては愛とデートする。映画を観に行ったり、植物園に出かけたり、遊園地や水族館に行ったりもする。

その日は、カフェでゆっくりとデート。パンケーキが有名で、店内にはおしゃれな女子の姿がチラチラ見える。

「ミコトくん、小説は順調に書けてる?」

カプチーノを飲み、愛がニコニコ笑う。僕は印刷した小説を取り出した。

「読んでもらいたいと思って持って来た。今度のコンテストに出そうと思ってる小説で、愛が最初の読者だよ」
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