梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 真央の家は大きい。

 ツツジやヤマブキ、シャクナゲなどの低木で彩られた芝生の先に錦鯉の池があり、その側でケヤキが葉を茂らせている。

「小松さん、手を出して」

「ん? はいはい……きゃ!」

「おお、ラブラブ!」

「翔太、茶化さないの」

「梅咲君、恥ずかしいよ……って、わぁ!」

 言われるままに手を出すと、梅咲君が私の手を握った。

 はじめはいきなり手を繋ぐとか、二人の前で大胆だなとか恥ずかしいなと思ったけれど、すぐに理由が分かって、変なことを考えた自分のほうが恥ずかしくなった。
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