後輩くんは溺愛を隠せない
9.愛し愛され


1週間の残業も終わり、やっと今日は定時で上がれそうだった。


ここ1週間、終電とまではいかないけれど、いつもよりも遅い時間まで残っていた事で、毎日クタクタだった。



「ふぅー、終わった」



そして、私にはこの後やらなきゃいけない事が残っている。



「じゃあ、春奈、行ってくるね!」



春奈には、瀬田さんに告白されたことを話していたので、今日返事をしに行くことは知っていた。



「うん、行ってらっしゃい。終わったら話し聞かせてね」


「うん、連絡する~」



相談に乗ってくれたので、勿論終わったら話すつもりでいた。


っていっても、断りに行くので、瀬田さんには伝えにくいのだけれど。


このまま、返事をしない訳にも行かないので、行くしかないと気合を入れて、職場を出た。


歩いて5分のお店に向かう間、なんて切り出そうか考えておく。


だけど、まとまる前にお店に着いてしまった。


お店の前にいても、迷惑になるだけなので、勇気をだして、扉を開けた。

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