後輩くんは溺愛を隠せない
無防備に寝ている紗知先輩に手を出すつもりはもちろんないけれど、余計なお世話だと2人に言いたい。
俺が言うのもなんだけど、今日が初対面の男を好きな女性と2人きりにするのはどうかと思う。
さっき話したことで、俺を信頼して、俺が紗知先輩を狙っているのを知ってるからこそ2人にしてくれたのだと思うけどーー、さすがに、急すぎる。
「ふぅ......、紗知先輩?」
いつまでも、ここにいる訳にも行かず、帰るため、起こそうと肩を揺すって声をかける。
「ん......、スゥー......」
「起きない、か」
しょうがない。
俺はそっと紗知先輩の頭を退けて、壁に掛けていたスーツのジャケットを紗知先輩にかけてから、横抱きにする。
「軽い......」
小柄なせいか、持ち上げた感じがすごく軽かった。
片腕に俺と紗知先輩のカバンを引っ掛けて、個室を出る。
すると、店員さんに声を掛けられた。
「あれ?さっちゃん、潰れちゃったの?」