君のパーカー
お迎え

はぁー疲れた。



スマホの画面には0:00の文字。


また今日も日付跨いじゃった。

急がないと終電間に合わないや。

でも、急ぐ気力もない。

しょうがないや。歩いて帰ろうかな。



((ブーブーブーブー))



デスクの上に置いてあるスマホが

鳴り出して我に帰る。

そこには 西畑大吾 の文字。

慌てて電話に出る。



「もしもし、?」

『もしもし、〇〇?今どこおる?』

「会社だよ、どうしたの?大ちゃん」

『もう終電ないやろ、迎えに行くから待っとき』



そう言って電話を切られてしまった。

久しぶりに聞いた、彼の声。

優しくて、甘くて、私の大好きな声。


ライブがあるから東京に行っていて

しばらく会えてなかった。
< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop