【演歌歌謡曲】佐伯達男のこころ歌
栗の実
大切な物が入っている

かばんひとつを持って

旅に出た

愛の暮らしを

あきらめて

あてもなく

また、放浪(さすら)う

仲秋(ちゅうしゅう)を過ぎた

山脈(やまなみ)を

真っ赤な夕日が

染めて行く

古い町並みに

ろうそくの灯(あかり)が

優しく

灯りました

愛する人と

泣いて別れて

いくつ秋を

数えたのか

ろうそく灯った

ろうそく灯った

もう一度

愛を拾えよと

そっと優しく

そっと優しく

俺に

呼びかけている


肱川(かわ)をたどって

夕日に染まる

伊予灘(うみ)に

たどりついた

愛の暮らしを

あきらめて

もうどれくらい

たったのだろうか

ここから左に

歩いて行けば

佐田岬(みさき)へ向かう

国道に続く

母の背中(せな)で聞いた

あの子守歌(うた)が

波の調べに

のってきた

ベンチに座って

足を休めていたら

足元にそっと

転がってきた

栗の実ひろった

栗の実ひろった

両手でそっと

抱きしめて

愛をひろった

愛をひろった

大切な物が

ひとつ増えました

栗の実つつんだ

栗の実つつんだ

涙のしみた

ハンカチにそっと

優しさひろった

優しさひろった

大切な物が

ひとつ増えました
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