死骸
人の不幸は蜜の味らしいのだ。


私はその言葉を、もういつ誰から教えて貰ったのか記憶にない。

でも、母のその笑みはまるで濃厚な蜜をここぞとばかりに吸って頬張る虫のごとく
だった。

誰が見てもそんなように見えるのか
それとも私の心がそう見せるのか


しかしどちらにしても
嫌悪はいつも目にうつる母にでない

そんな姿にうつす自分に向き続いて、それが止むことはない。


心の底にぷつぷつと湧く感情は、吐き気のする程に見れたものではなかった。
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