先生は溺愛ダンナさま  旅行編
この時ついつい彼女ってワードに過剰に反応してしまった私は、まんまと罠にはまってしまっていたなんて気づかなかった。


それから、水を得たようにその人達から彼の学生時代に付き合っていた女性の話を聞かされてしまうはめになった。


「凄い美人でお嬢様でね、今はヨーロッパに留学しているのよ」


「あの子が彼女ならみんな納得せざるを得ないって感じだったけど」


「そうそう、今や新進気鋭のピアニストだって。桜木くんとは超お似合いだったんだけど、やっぱり夢を追いかけて別れちゃったんだろうね」


「さすがに遠距離は難しかったのかな」


彼女達が、私の反応を見て楽しんでいるだなんてことに気付きもしなかったし、その時の私にはどうだってよかった。
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