逆転結婚~ブサイクだって結婚したい~

「近づいたらみーな殺してやるわ! 捕まえれるものなら、捕まえてごらん! 」

 芹亜はナイフを振り回しながら、人だかりの方へ近づいてい行く。


 恐怖に悲鳴をあげて、人だかりは大きくよけてゆく。


「みーんな私に跪きなさい! 私は世界で一番美しいの。お前らはみーんな、ブサイクよ! 」


 ナイフを振り回しながら、階段へと近づいてくる芹亜。


「ブサイクはこの世から消えればいい! 」


 狂ったように笑っている芹亜。


 と…。



 階段を降りようとした芹亜は、足を踏み外してそのまま転落してしまった。



 集まっていた人達は一斉に避けて行った。




 階段下まで転げ落ちた芹亜を、警察官が囲った。


「う…」


 うめき声をあげて顔を上げた芹亜。


 だが…


 顔を上げた芹亜を見て、警察官が絶句した。



 芹亜の顔は血まみれになっているが、鼻がへし折れ、そこからシリコンのよなものが飛び出ていた。

 
 どうやら整形している鼻が、へし折れたようだ。

 階段から転がり落ちて、鼻がへし折れ中に入れているシリコンが飛び出てきたようである。



「ゲッ、あの女もしかして整形? 」

「あれはシリコン? 」

「だから狂ってたの? 」



 集まっていた人達が騒めき始めた。




 見ていた忍は、驚いていたがなんとなく芹亜の事が哀れに思えてきた。

 整形して、世の中を見返してやろうとした芹亜だが、行き過ぎた行動に狂ってしまい、最後には化けの皮がはがれてしまったようだ。




 警察官に囲まれた芹亜は、へし折れた鼻で狂ったように笑っていた。


 その後救急車が到着して、芹亜は連れて行かれた。



 騒然となった駅前。


 逃走していた芹亜が捕まり、一先ずほっとさせられた。
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