【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


「お前は心配しなくていいから、このまま俺に守られてて?」



葵くんが自信たっぷりに言いながら私に顔を近づけてくる。



「返事は?」


「はい……っ」



動揺を誤魔化す隙さえ与えてくれない。


こんなに真っ赤な顔を間近で見られてしまう。


葵くんは、ズルい……。



「今日は素直なんだね」



心の中で文句を浴びせていると、私の頭にポンッと手を置いてそっと撫でてくれる。



「あ、ありがとう……っ」



そばにいてくれて……。


葵くんの手が温かくて、安心する。


自然と言葉にして伝えると、葵くんはふわりと瞳を緩ませた。

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