【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



「なんでそんなことまで知ってんの?」


……と、葵くんが首を傾げる。


キャラメル色の髪がさらりと流れる。


「葵くんが寝てるなんてみんな知ってることだよ……」


「ふーん」


「な、なに?」


「雨野が俺のこと見てんのかと思った」



まるでからかうようにそう言うと、クスッと笑って再び机に突っ伏した。



「なわけないでしょ……って、また寝るの?」



と、このように人をからかっといて葵くんはすぐ寝る。


これはクラスのみんなも把握済みの“ おやすみモード ”。

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