冷酷王子は子リス姫を愛でる
ここに来て3週間は経つのに、大変だなぁ…。



「ターシャ様、手を出していただけますか?」

「手、ですか…?この国は初対面で握手をする習わしなのですか?」

「いえ、そうではないのですが…お願いです、手を」

「えぇ、はい…」



ターシャ様の手をギュッと握り、力を込めた。



少しでも楽になるといいな…。



「なんの魔法ですか…?」

「ただの治癒ですわ。少しは気分が楽になりました?」

「えぇ、ビックリするほど…」

「それはよかった」



ターシャ様の顔色は良くなった。



うん、よかった。



「もっといろいろお話しすればよかった…」

「もう、国へ帰られるのですか?」

「えぇ、きっと2、3日中に発つと思います」

「あの、王太子殿下がハネムーンはターシャ様の国にと…」

「そうなんですの?それは楽しみ。ぜひ、いらしてください。暑いので、覚悟してくださいませね」



この人とは、仲良くなれそう…。



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