冷酷王子は子リス姫を愛でる
よし、お願いしよう。



「リーナ、これをアンドリュー様に届けてもらいたいのだけど」

「殿下にですか?ならば直接行かれた方が喜ぶのではないでしょうか」

「でも、謁見の申し込みもしていないのよ?」

「大丈夫です。確認してきますね」



リーナが確認してくれると、アンドリュー様は執務室にいて、私が届け物をしてもいいとのことだった。



なんだか嬉しい。



お仕事の邪魔をしないように静かにしなきゃね。



置いたら、すぐに帰ってこよう。



カゴに入れたおにぎりと、モンブラン。



それを持ってよく覚えられない廊下を歩く。



そろそろ、本当に覚えなきゃ…。



迷子になったらお仕置きだとおっしゃっていたし…。



「殿下にお届け物でございます」

「承っております。どうぞ」



執務室の前にいた2人の警備さんに頭を下げた。



あっ、今渡してしまおう。



「これ、よければ召し上がってください」

「これは…?」

「味の保証はデイジー様がしてますので、大丈夫だと思います。いつもご苦労様です」

「いえっ、とんでもないっ‼︎」



口に合えばいいなー。



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