冷酷王子は子リス姫を愛でる
皇帝陛下と子リス姫
【キャサリン】



リュークを産んでから、時が経つのがとても早く感じる。



アンドリュー様の戴冠式が終わり、アレン様とリーナの結婚。



なんとなんと、先に赤ちゃんを作ってしまったのです。



『私たちにはこれしか選択肢がなかったもので』と、父親である宰相様に反対されないように既成事実を作り、強行突破した。



何はともあれ、ふたりがとても幸せそうなのでよかったと思う。



まぁ、宰相様はお怒りになってたみたいですけど、今じゃすっかり孫に毒気を抜かれてしまったみたい。



「母上、気持ち悪っ…」

「私も気持ち悪いっ…」



乗り物に弱い私に似てしまったリュークはもう8歳で、立派なお兄ちゃん。



妹がひとりと、弟がふたり。



「なさけないわ、お兄様」

「だって、これだけはっ…うっ…」

「ハァ、いつもの凛々しいお姿はどこへ行ったのかしら」



年子で生まれた娘のグレースはとてもしっかり者で、たまにリュークの姉なのでは…と思う時もある。



ちなみに、アンドリュー様はグレースをどこにも嫁に出す気はないそうだ。



溺愛にも程があると言うほど溺愛されているが、最近はちょっと避けられている。



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