【女の事件】十三日の金曜日

第24話

あきよしが無罪ホウメンでシャクホウされたことを機に、家族がもう一度やり直して行こうと思っていたのに、家族間の人間関係が大きく壊れていたので、家庭は大規模な崩落を起こす一歩手前の危機にひんしていた。

あきひろがあきよしに『強姦魔!!』『不起訴魔!!』『死神!!』などと強烈な文言を並べて暴力をふるってしまった原因は、家族は思い当たるフシがないので困り果てていた。

後に、あきひろの母親が近所の奥さまに聞いてみたところ、あきひろが店長になっていた岡豊(おこう・高知県南国市)にあるガソリンスタンドが不採算店舗になったので12月までに閉店の手続きを完了させろと上の人から命令されたので自暴自棄になっていた。

あきひろは、そうした怒りをぶつけるところがなかったので、あきよしに強烈な暴力をふるっていた。

あきひろに強烈な暴力をふるわれたあきよしは、家族に対して激しい怒りのホコサキを向けた。

５月９日のことであった。

あきよしは、職場でたけのりたちから強烈なイジメにあっていたので、職場にも怒りのホコサキを向けていた。

経営者は、たけのりたちが職場放棄をして作業着姿で遊びに行くところを見ても、止めようとはせずに『たけのりたちはしんどいのだから…』と甘やかしてばかりいたので、他の従業員さんたちから白い目でみられていた。

たけのりたちは、三島のバス停の近くにあるフジの駐車場にいた。

たけのりたちは、たけのりが中学の時の後輩の男性のもとへ行って、車にのせてくれとお願いをしていた。

それからしばらくして、たけのりたちは後輩の車に乗り込んで遊びに行った。

その様子を、ふきこの知人のパート従業員の女性がスマホの動画で撮影をした後、ふきこにメールを送りつけた。

(ジャーン!!ジャーン!!ジャーン!!…ジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャン!!ワーーーーーーーーーーーッ!!ワーーーーーーーーーーーッ!!ワーーーーーーーーーーーッ!!)

ところ変わって、高松市福岡町にある高松競輪場にて…

あきよしから現金を強奪して、職場放棄をしたあと、たけのりの中学の時の後輩の車に図々しく乗り込んで高松まで行ってたけのりたちは、競輪に夢中になっていました。

しかし、レースの後半で大ハズレをきっしてばかりいたので、イライラとした気持ちになっていた。

夕方頃のことであった。

たけのりたちは、オケラ街道をトボトボと歩きながらこう言うていた。

「おい、どうするんだよ…スッテンテンになっちまったよぉ。」
「そうだな…」
「のみにゆこーぜ。」
「のみに行くって、のみ代どないすんねん。」
「あきよしのお給料から差し引けばいいのだよ…強姦魔に支払うお給料は１文もねーのだよ。」
「そうだな…強姦魔のお給料を根こそぎ奪えばええんや。」
「社長はなーんも言わへんさかいに…」
「せやせや…ほな、のみにゆこか？」

たけのりたちは、この後兵庫町にある居酒屋へ酒をのみに行った。

ところ変わって、兵庫町にある居酒屋の奥座敷にて…

たけのりたちは、あきよしのお給料で全額払うと店の人に伝えた後、大量にアルコール類や料理を注文していた。

酒の席が盛り上がって来た頃であった。

たけのりは、従業員の男性にこう言うた。

「なあ。」
「なんだよぉ…」
「いいのかよ…こななことをしても…」
「なんだよぉたけのり…あきよしは強姦魔なんだよぉ…女子大生をボロボロに傷つくまで犯して殺したと言うのに、法はおとがめなしの無罪でシャクホウされた…法があきよしを罰しないのであれば、オレたちが罰するしかないだろ…」
「そうだよ…うちの社長が強姦魔を雇用するからオレたちは居場所をなくしたのだよ…うちの社長は…ホンマにふざけとるわ!!」
「せやせや…2018年３月末で工場閉鎖…閉鎖の理由はしんどいからや…」
「ふざけとるわホンマに!!」

従業員のひとりは、のみかけのカルピスハイをのんでからこう言うた。

「オレ…雇用契約の満了を待たずに工場をやめようと思っているのだよ…」
「工場やめるって？」
「オレ…工場やめて…阿倍野に帰る…」
「大阪へ帰って、その後どないすんねん？」
「実家の印刷工場を継ぐことを決めたけんに…オヤジが早く帰ってこいとやかましく言うけん、早いうちに大阪へ帰りたいのだよ…」
「そうだな…オレも、いなかへ帰ろうかなぁ…今の職場で働くのはイヤや!!」
「オレもそうしよう。」
「オレもいなかへ帰って、やさしくしてもらえるところに再就職しよう。」

たけのりたちは、酒をのみながら職場への不満を次々とぶち曲げていた。

たけのりたちは、知らないうちに勤務態度が悪化していたが『オレたちは被害者なんだよ!!』と言う気持ちでいたので、大きくダラクしていた。

たけのりたちは、この後取り返しがつかない悲劇の被害者になってしまうのであった。