嘘つきとカゲ。
*空と光*


人の信頼というものは、どうも自分にとっては薄っぺらいものに思えた。

何かを頼まれて、それを成し遂げたら信頼が生まれる?

約束をして、守ったら信頼が生まれる?

その"信頼"というものは、そんな些細な事から生まれるのだろうか。

だとしたらきっと、終わりも些細な事で生まれるんじゃないだろうか。


こんな風に。


バシンッ

「最低!空の事、周りから何を言われても信じてたのに」

右頬がピリピリとして、頬をさすりながら目の前の女を見る。

「っ…てー」

「本当はグーで殴ってやりたい位なんだから!」

「…殴れば?」


言った後後悔した。

なかなか痛いじゃないか。

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