会長様の秘蜜な溺愛
▼ヒミツな別れ
麗ちゃんと暦先輩の話の続きを聞くことなく
迷わずに足を進めた。
「…そうだよね…」
…そりゃそうだ。
あんなに可愛らしい人に敵うはずもない。
わたしの波の無い音で紡いだ呟きが、乾いた空気にただ融けていく。
教室では神谷くんと香月くんがもうお昼を食べている。
…パンは食べたいものが無かったとでも言っておこう。
笑顔でいなくちゃ。…笑顔で。
わたしと彼のヒミツは、もう終焉を迎えるのだと理解した。