会長様の秘蜜な溺愛
握られた手首と
触れられた手の指先が
途端に熱を持ったように思えた。
「それでは結花さん、また。…行こうか芽衣ちゃん」
「っうん!菜穂ちゃんもまたねーっ!」
「またいつでも来てね。いってらっしゃい」
「ま…、またね芽衣…」
何事もなかったかのように、わたしに背を向けて入口へと向かう会長。
…目を泳がせるかたちで狼狽が表出たわたしは
置いてきぼりの頭の中と感情を隠すようにしてメモ帳に目を向けた。
あれ、書かれた紙がそのまま付いてる…?
…ってことは結花ちゃん宛てのメッセージとか……、
「また明日。…―――麻見さん」
カランコロン――…
『明日の昼休み、大至急生徒会室まで』