会長様の秘蜜な溺愛

▼ヒミツな決意




「…ん…」

「菜穂!目が覚めたの」



視界に映った白い天井と

包容に満ちた声色で微笑むお母さんの姿。


…自分が眠っていたのだと、理解する。



「お、かあさ…ん?……あれ、」

「今は夜の8時。ここ病院」

「えっ!?…っ痛…」

「安静にね」



特有の薬品な臭いと

左腕に繋がれた点滴

そして鈍く痛む身体中に対し、眉間に皺が寄る。


…わたしは確か、神谷くんと社会科資料室に向かう途中で…。

< 237 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop