会長様の秘蜜な溺愛
▼ヒミツな永遠
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――…
夏の夜。
時間的にだいぶ涼しくなり、一日中開けていた窓をようやく閉めた。
「おかーさん!お風呂でたーっ!」
「あ、こらっ!ちゃんとパジャマ着てから来なさいっていつも言ってるでしょっ」
「あれ、おかーさんのケーキはー?」
「…お話を聞けない子にお母さんのケーキはありません」
「おかーさんいじわるだ!幼稚園でいじわるはダメってせんせー言ってた!」
「……い…!?違うよ、意地悪じゃないよっ」
子どもらしく弾んだ、賑やかな足音が駆けてくる。
上半身裸のままわたしに抱き着いたのち
すぐさま一生懸命背伸びをして、冷蔵庫内を探す小さな背中。
お昼に作った苺のケーキは
絶対こうなると思ったから、この子から見えない一番上に置いてある。