23時41分6秒
「今日はもう帰りましょうか」
いつもより早い別れに、内心焦る。
「…実は、一緒に行きたい場所があって」
「ごめんなさい。明日早いので…」
「…どうしてもダメですか?」
彼はポケットからスマホを取り出し、
困った表情で操作し始めた。
この後、春乃と会うつもりなのだろうか。
私はスマホを無理やり取り上げた。
「…着いてきてください」
彼を睨みつけながら、スマホを
バッグの底に押し込んだ。
驚き固まる彼の手を引っ張り、
ホテルへ向かった。