23時41分6秒
どうして母は、私に嘘をついたのだろう?
母を信じたい気持ちもあった。
でも、高岡さんが嘘をついて
いるように思えなかった。
居室へ戻り、床に座り
しばらくの間考え込んでいた。
窓から微かに差し込む夕日が、
目の前の床に置かれた
母の日記帳を照らしている。
日記帳を手に取り、躊躇いがちに
表紙をそっと開いた。
1ページ目には、何も書かれていなかった。
日記帳は、ページをめくっただけでも
破れてしまいそうなくらい
状態が悪かった。