蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「紅!」


駅の改札で呼ばれた気がして
振り向いた


瞬の声に聞こえた


そんなわけないのに…



「紅!」


少し向こうから瞬が走ってきた



瞬はスーツを着てた



「仕事早く終わらせて、帰ってきた…」

息を切らせながら言った



私は胸がいっぱいになった



急すぎて
なんて言葉をかけていいか
わからなかった


いっぱい話したいことがあるのに
何から話していいかわからなかった



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