蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

家に帰ると、瞬から電話が来た



電話の声はすぐ近くなのに…

昨日会ったばかりなのに…

瞬は、近くにいない



瞬が話始める前に私は言った


「瞬、あのね‥
昨日言えなかったんだけど‥
私ね、同じクラスに好きな人ができたんだ…」



「…ホントに?」


少し間があって
瞬の声が聞こえた



「…うん‥」



同じクラス‥
好きな人‥
そんな人いなかった



私は今日も瞬が好きで
昨日より今日の方が瞬のことを好きになってて
きっと明日は
もっと瞬を好きになってる


もっともっと好きになる前に
少しでも早く
瞬から離れようと思った



「…そっか‥
でも、昨日オレが言ったことは
全部、本当のことだから…
…今更言う資格、なかったな‥オレ
…だから、紅が決めて、どーしたいか…」



「…うん…

別れて、ほしい…」



「…わかった
紅、ごめん…
…それから‥ありがとう…」



「…瞬………ごめん…
ありがと…
…バイバイ…」



泣かない…

電話を切るまで
がんばった



ツーツーツー…

音と共に涙が溢れた



何回泣いただろう…


キスした回数と泣いた回数
どっちが多かった?


瞬、
幸せ、辛さ
どっちが大きかった?



瞬、私ね
幸せの方が大きかったよ



愛してくれて、ありがとう…瞬



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