蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
「テスト範囲見せて…」
瞬は私達のことについては
話さなかった
私が渡したプリントに瞬が目を通した
瞬て勉強好きなんだな…
楽しいのかな?
「瞬て、勉強好きなの?
勉強教えてくれてる瞬て
いつも楽しそうだった…」
瞬がプリントから私に目を向けた
目が合った
ドキッとした…
「…楽しいとか、考えたことないけど…
確かに、好きかも…」
瞬はそう言って
またプリントに目を向けた
瞬…そう呼んでしまった
また、先生‥に戻さなきゃかな…
「ノート見せて」
瞬に言われてカバンからノートを出した
1番上にあったノートを瞬が取って開いた
「…アレ?
これ、紅の字じゃない…」
ノートを閉じて瞬がノートの表紙を見た
藤本くんのノート…
さっき片付けるとき、間違えたんだ
「あ…友達の、ノート…」
「友達って、さっき電車一緒だった?」
瞬に聞かれた
さっき瞬に見られてたんだ…
「…うん」
ちょうど注文した料理が運ばれてきて
私達はテーブルの上を片付けた