蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

➖瞬➖



「おはよー」

亮が部屋に来た



「早すぎない?」

オレは何もなかったように振る舞った



紅は、まだ恥ずかしそうにしてた


亮に見えないように
オレは、なんとなく部屋の障子を閉めた


亮に、あんな紅を見せたくなかった



「紅ちゃーん、オレたち風呂行ってくるけど
茜、隣にいるから〜」

亮が障子の向こうの紅に言った



「…うん」

紅の返事が聞こえた




「あれから、なんかあった?」

風呂に入りながら亮が聞いてきた



「いや、別に…」


オマエのせいでなくなった



でも、亮が来てなかったら…
オレたち…してたかな…


してたな…



亮がニヤニヤして
オレを見てきた


「なに?何もないって…」



「瞬、なんかついてる」

亮がオレの胸元を指差した





…キスマーク?



紅?

でも、いつの間に?



「昨日風呂入った時なかった」

亮が言った



「でも、心当たりないし!」

オレはムキになって言った



「まぁ、いいや…
紅ちゃん、胸大きかったって
茜が言ってた〜」

亮がそう言って手でお湯を掛けてきた



「やめろよ」

オレも掛け返した



知ってる…


さっきの紅の顔を思い出した



「オレ、あがるわ…」



思い出すと、のぼせる




< 294 / 318 >

この作品をシェア

pagetop