蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

静まり返った部屋の中
LINEの音が響いた…



何時だろう?

帰ってから3時間近くたっていた



瞬からのLINEだった


〔紅、泣いてる?〕


そのメッセージを見て
また涙が出た




〔泣いてないよ〕

文字を打つ手が、震えた



〔ホントに?〕



〔ホントだよ〕



〔ごめん
明日会おうって言ったけど会えなくなった
転勤まで準備で忙しくなるから
向こうに行って落ち着いたら
絶対連絡するから!〕



何度も文章を読み返した



涙で画面が見えなくなって
拭いても、拭いても、見えなくて


なかなか
返信できなかった



〔紅、大丈夫?〕


返信する前に
瞬から、またメッセージがきた



〔うん
わかった
大丈夫
待ってるね〕


震えながら、やっと返した



〔おやすみ〕


〔おやすみ〕



瞬、ヤダよ…
近くにいて



瞬は寂しくないの?


もうすぐ会えなくなるの知ってたのに
今日、あんなに笑ってた


瞬の笑顔を思い出した



行かないでよ…



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