逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
首を縦に振って、
「もちろん。いつもいつも姉貴にオレらの仲を引っ掻き回されてんな…。」

「元カノとかでもない…のよね?」

あとで発覚するとか嫌だから、一応聞いてみる。

「ないない。
第一、姉貴や本間さんはオレと芽衣の付き合いめちゃくちゃ喜んでいて。
なにかと応援してもらってる。」

「でも、面識ないよ、お二人とも…。」

「芽衣とというより、芽衣のお兄さんかな。
あの二人、芽衣のお兄さんと同じ学校で、当時ファンクラブの会員だったらしい。
その妹が俺の彼女になって、はしゃいでいて。
すでに二人とも結婚してるのに、今だにお兄さんのファンなんだ。
芽衣の写真見て、かわいいかわいいってもう、そりゃあれこれ言われて。」

「お兄ちゃん?ファンクラブ?なにそれ…。」

「当時のお兄さん、すごかったらしいよ。
名門校で、あのルックスで、御曹司で、他校にケンカふっかけられてたらしいけど
不良高の巨人一撃して、誰も手を出せなかったって。」

確かに何でもこなす人だった。一般的にモテるとおもう。
空手も大会でいいとこいってたらしい。高校時代かなり尖っていたと母から聞いた。
七歳も上だと、あんまり家にもいなかったし。大学で落ち着き、跡継ぎと自覚したとか。
今はあんなに過保護だけど。

「だから、芽衣が心配することは何もない。
っていうか、芽衣がヤキモチ焼いてたんだな…。
そっちの方がヤバイ。」

蓮さんはすごくうれしそうで。
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