逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
サプライズ
誕生日は土曜でオフィスはお休み。
スタッフのみんなが前日金曜日にオフィスでお祝いをしてくれた。
ケータリングにケーキ、プレゼントと花束。
とっても嬉しい気持ちで自宅へ帰る。

自宅は高層階のマンション。
いくらの家賃かは不明だけど、娘の安全と、仕事への意気込みに父が用意してくれた。
便利で住みごごちもいい。
ただ、無駄に広かった。日中にハウスキーパーが入るので綺麗さは維持できてはいる。

今日はお祝いの余韻を連れて、一人で暮らす部屋へ戻ると少し寂しさがあった。
ワインでも飲んで暖まろう。
飲みながら、もらった花束を生ける。

そこへ部屋のインターフォンが。
届けものだというので、待っていた。
ドアのチャイムが鳴り、ゆっくりと開けると、両手いっぱいお土産を抱えた蓮さんだった。

「久しぶり!。お邪魔します。」
本人はニッコリ笑ってズカズカと入ってきた。

「どうして…。ここ、分かったの?」
驚いてしまった。

「それは…柾木の力を総動員?かな。」
そう言って、窓からの景色を見て、感動していた。

「ビックリした…。出張?
時間あるなら食事行こう。すぐ予約出来るとこ確かあるはず…、」

「何言ってんの?芽衣の誕生日だろ?お祝いしようと思ってるのに、君が店予約してどうする。」

「お祝い…、そのために?」
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