逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
まあいい社員が来てくれて良かったと、助っ人を頼んで良かった。
村上くんの負担も軽減されて本来の交渉リサーチに時間が割ける。

真面目で地味だが、割と柔軟で。
電話対応なんかはとても丁寧で親切だ。
所々の所作も優雅だし、お茶を頂いたが、給湯室の安い茶葉を美味しくいれてくれた。

総務の仕事が主だが負担にならないようにやってもらおう。



忙しい中、頑張れるのは…。

日本に帰国して良かった事はあの子に会えたことだ。
あの子は覚えてないだろうけど、久しぶりに行った会員制レストランで偶然遭遇した。
彼女が高校生の時だから何年ぶりだろうか。
キレイに着飾った彼女に目を奪われた。
スマホを拾っててあげても見向きもしない。相変わらずだ。

その後、偶然パーティーに参加している姿を見て思わず声をかけた。
あの頃の面影があって可愛らしかった。
九条家のお嬢さん。

あれから、何度かあのレストランへ通っていた。もちろん、彼女へ会えるかもと。
何度目かでようやく一緒に食事が出来た。
信用されたいと言う思いもあり、連絡先も一切聞かなかった。
次の再会を期待して、また時々通っている。
< 28 / 213 >

この作品をシェア

pagetop