この恋、ワケアリなんです!
「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」

ナースステーションにいるスタッフへ挨拶をする。

「おはよう、松村さん。今日は入院くるから準備よろしくね。」

そう返すのは、看護師の立花さん。
うちの病院では数少ないナースマンの1人だ。


私、松村 碧はここ橘リハビリテーション病院で勤務して4年目の介護福祉士。

介護士のイメージといえば、
給料が低くてキツイ、汚いのイメージ。
確かに、給料は決して高くはないし、
オムツ交換や入浴介助など身体を使うハードな仕事だ。

私はこの仕事が好きだ。

幼い頃に両親が離婚し、母に引き取られた。
中学3年生の春ー、
看護師だった母は、不規則な勤務に加えて毎日の残業。
夜勤明けの帰り道、寝不足と疲労から注意力が低下しており、歩道橋の階段で滑って頭部を強打し亡くなった。

施設に行くことも考えたが、優しい祖母と祖父に引き取られ3人での暮らしが始まった。

しかし高校2年生の冬ー、

祖母が突然、脳梗塞を発症し半身麻痺になってしまった。
思うように身体が動かせず、トイレへ行くにもお風呂に入るにも介助が必要となってしまった祖母。
自宅退院を希望し、介護保険で自宅改修をして一時は自宅で過ごしていた。
しかし、定年間近の祖父と学生の私で祖母の日常生活を支えるのには限界があった。

結果として祖母は施設に入所し、現在も施設で過ごしている。

身体の不自由な祖母の力になりたいと思い、私は介護福祉士専門学校への入学を決意した。

いつかまた、祖母と祖父と3人で暮らすために…。

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