ホームズの子孫はピンチになると駆けつける
「あ!」

私は、ずっと二人にお願いしようと思っていたことを忘れていた。二人は同時に私を見る。

「どうしたの?」

ワトソン先生がジッと私を見つめる。ホームズさんも同じ。……いや、彼の場合は観察かな?

「あの、二人にお願いしたいことがあって……」

「何だい?」

ホームズさんの目が嬉しそうに輝く。彼の望む事件の捜査じゃないんだけど……。

「いつも、守られてばっかりじゃ嫌です。だから私に、武術と射撃を教えてくれませんか?」

私がそう言うと、ホームズさんとワトソン先生は優しく笑う。

「お安いご用」

そう二人は同時に言い、私の頭に優しく唇を落とした。
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