君がいればそれだけで。
口を滑らせて話してしまわないか不安だった。個人情報とか書類にまとめている情報に関しては口は固い方なんだけど、医療に関係のない世間話とかだと自信ないんだよね。ベクウがいるからって頼っても良いのかな。でも、完全に頼るのもまずいよね。やっぱり、ある程度は気を張っていないと。

「ヒュー、少しだけ残って」

「いかがなさいました?具合でも悪いのですか?」

「んー、そんな感じー」

王女の部屋に着くと、本当に体調不良なのかと思えるような笑顔で僕を引き止める王女がいた。何が面白くて笑っているのだろうとも思ったけれど、疑えばパルさんが黙っていないだろう。
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