君がいればそれだけで。
分かっているのなら尚更、感謝するべきだろう。それを余所者を倒してくれるだけの厄介者みたいな言い方して、恥ずかしくないのか。
確かにあの戦闘前の目を見れば恐怖を覚えるかもしれない。正直、見ていただけの俺でも本気で殺されると思った。だから恐怖を感じる事には文句を言わない。
恐怖で近付かないのならまだ良い。恐怖で近付かないのではなく、自分たちに手を出さない事を良い事に嫌いだと遠ざけようとするのは違うだろう。
王女も王女だ。追い出された人々に職と宿を提供するなんて。だから人々も調子に乗って追い出しているんじゃないのか。

「放っておく事は出来ないのか?王女の放っておけない性格を知っていて見捨てられはしないと甘えているんじゃないのか?」

「無理だろうな。この国に来る侵入者は皆、暗殺目的な奴らばかりだから命を粗末にしろと言っているような物だ」
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