君がいればそれだけで。
「さてと。私の約束は果たしましたよ?」

「じゃあ・・・、やっぱり彼が・・・?」

王女は微笑んだまま頷き、旅人は泣きながら僕を抱き締めてきた。この時、両親と父子が亡くなった時の真実と約束の意味を聞かされた。
あの日、王女はあの父子を引き取るために精霊の国に来ていたけれど迎えに来た兵士の中に良く思わない人がいたらしい。その人の計画で父子と両親は殺され、僕しかいなかったと伝えたそうだ。でも、良心が残っていたのか子供である兄には深手を負わせただけで止めを指さず、自ら力尽きるのを願ったのだとか。
止めを刺されなかったおかげで兄は生き延び、僕の安否を知りたいけれど精霊の国には行けなくて旅をしていた所で王女と出会った。そして、獣の国の暗殺者に依頼すれば会わせると約束し、今に至るらしい。
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