もうそばにいるのはやめました。


た、助かったぁぁ。


店長ありがとうございます!



「バイト休んだのか……」



同居してたころに毎週何曜日にバイトがあるか、一応円に報告していた。


そのことを思い出して今日来たのだろうか。



心なしか円は安心していた。


円も心配してたの?

お母さんや店長と同じように、体調が悪かったわたしを。



「そちらはご購入されますか?」


「はい」


「ではこちらへどうぞ」



店長の目配せで、そそくさとレジから離れる。


お金を払った円はそのままお店を出て行った。



「はぁ……」



円がお店の前を通り過ぎたのを確認し、胸を撫でおろす。


見つからずに済んでよかった。




「店長、すいません。ありがとうございます」


「どういたしまして。さっきの子はお友だち?」


「……クラスメイト、です」


「ケンカでもしたの?」


「ええ、まあ……」


「早く仲直りしなよ?」




返事はできなかった。


これはケンカなのかな?

わたしだけ気まずくなってるだけ。避けてるだけ。


初恋を引きずってるだけ。



仲を直したって、クラスメイト以上にはなれないだろうな。



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