彩りのある場所で、恋を
その歌の意味を、俺は知っている。和歌は恋の歌が多い。自然と目にし、覚えてしまっていた。

先生と生徒。叶わない恋だと諦めて今日まで生きてきた。今日告白したのは、もしかしたらこの苦しい想いから少しでも解放されたかったからかもしれない。

俺の胸に、嬉しさがあふれてくる。初めて想いが通じ合った瞬間なのだから。

「デートは高校を卒業してからになりますけど、いいですか?」

そう微笑む玉井先生に、俺は「はい」と頷いた。






< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop