この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

帰りのバスで晴くんは珍しく教科書とにらめっこしていた。北央も来週からテストが始まるらしい。不良っぽい晴くんが教科書を読んでるとか……萌える。

「お疲れさま」

「おう」

「なんの勉強?」

「数学。苦手なんだよ。それに俺、夏休みはバイトしようと思っててさ。補習にならないように一応勉強してる」

小難しい顔で眉間にシワを寄せる晴くん。

「なんのバイトするの? 私はなんもないなぁ、夏休みの予定」

「叔父さんが駅前でカフェやってるから、それの手伝い」

「遊びに行くね」

「うげ、マジ勘弁。恥ずい」

そんなささいな会話がすごく楽しい。晴くんの隣にいられるだけで、心がポカポカ温かくなる。

肩が触れ合い、少しだけ近くなった距離感。私の最寄りのバス停に着くと、さも当然のように一緒にバスを降りてマンションの下まで送ってくれる。

肩を並べて歩きながら、そっと触れる手と手。反動で離そうとしたら、ギュッと握られて手を繋ぎながら歩いた。恥ずかしいけど、心地いい。幸せって、こういうことをいうのかな。

夜寝る前には『おやすみ』のメッセージをもらい、朝目覚めたら『おはよう』と送る。バスの行き帰りも常に一緒で、日常のささいな出来事を話す。晴くんはあまり喋るタイプじゃないけど、聞けばちゃんと教えてくれた。

バスを降りてから手を繋いで歩く帰り道。隣には笑顔の晴くん。そんな毎日が楽しくて幸せだった。

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