この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
角を曲がるとバスがちょうど発車したのかエンジン音がひときわ大きく響いた。
「う、嘘でしょ……」
待って〜!
ダッシュしてバスを追いかけたけど、距離はどんどん開いていく。そのうちカーブを曲がってバスは見えなくなった。
「はぁはぁ……」
膝に手をつきうなだれる。朝は道路が混んでいるので、確実に遅刻決定だ。
うう、ショック……。
諦めつつバス停に戻り次のバスを待った。
十分待ってようやくきたバスに乗ったけど学生の姿はない。それにラッシュを過ぎたから車内はとても空いている。
後ろのほうに座ろうと思って振り返ったときだった。
「あ……」
ドキッ。
私の視線の先にはいつもの定位置で外の景色を眺めている日向くんがいた。美しい横顔に目を奪われて自然と足が止まってしまう。
ドキドキしすぎて緊張する。わー、こんな日に限って寝坊するとか。髪の毛はねてたらどうしよう。せめてグロスくらい塗ればよかったかな。
そんなことを思いながらバスの座席へストンと腰をおろす。通路を挟んだ反対側の席にいる日向くん。
思わずチラチラ見ていると不意に日向くんがこっちを向いた。
ドキン。
わー、どうしよう!
目が合ってめちゃくちゃ恥ずかしい。
「おはよ」
え……?
わ、私に言ってる……?
キョロキョロしてみるけどあたりには誰もいない。
焦ってオロオロしていると日向くんはおかしそうに噴き出した。
「あんたに言ったんだけど」
「お、おはよう!」
まさか話しかけてもらえるなんて思ってなかった。