この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

蝕む現実


「ねぇひまちゃん、具合い悪いんじゃない?」

「え?」

次の日の日曜日。朝リビングに行くと唐突にそんなことを言われた。あながちまちがってはいない。昨日からめまいのような症状が続いている。

ここ最近ずっと、食欲もない。それにちょっと歩いただけですぐ疲れる。

「大丈夫だよ」

私は悟られないように笑みを貼りつけた。いつものように笑えている。だから、なにも問題はない。

「食欲だってないみたいだし、一度病院に行きましょ」

「大げさだよ」

「なに言ってるの、取り返しがつかなかったら困るでしょ」

ああ、頭も痛くなってきた。

病院に行くのが怖い。ここ数日、私自身もちょっと変だなと思っていた。いつしか身体が震えていた。動悸がして手に汗握る。

この感覚を私は知ってる。

だってそれはまったく、小学五年生のときの症状と同じだったから。

「病院で検査してもらいましょ」

「いや……」

無意識に口から出た言葉。

やだ、怖い……。



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