この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
早速家に帰って姉ちゃんが帰ってくるのを待った。あのときは強く出れなかったが、今日の俺はちがう。
今思えば、最後に会ったときのひまは明らかに様子が変だった。どうしてそれに気づいてやれなかったんだ。バカだな、俺は。
なにがあってもあいつが好きだって気づいたから、やっぱり俺はひまのそばにいたい。自分で言ったことの責任も取れないような、カッコ悪い男に成り下がりたくない。
「ただいまー!」
「姉ちゃん!」
「ビックリしたぁ。玄関で待ち伏せとかやめてよね」
「話がある」
姉ちゃんはしばらく黙ったあと、俺の目を見つめること数秒。
「覚悟はできたの? 生半可な気持ちじゃ、あんたは絶対に逃げ出すよ」
「ひまが好きだ。だから……」
視線が床に向き、前屈でもしてんのかってほど頭を下げた。
「教えてくれ、あいつのこと。振られても好きなんだ。それに俺、なにがあってもずっとそばにいるってあいつに誓ったんだ。自分の言葉に責任持てないようなカッコ悪い生き方はしたくない。だから、頼むよ」
屈辱的だろうとひまのためならなんでもできた。それほどまでにあいつが好きだ。
振られてショックだったけど、ひまの真実が知りたい。
「あいつ、一カ月前からずっと学校休んでるって……休学届出して、友達からの連絡も断ってるみたいなんだ」
「ふーん……そう。そういうことか」
姉ちゃんはなにやら納得したようにブツブツつぶやく。その声は儚いほどに切なげだった。
「本当はこんなこと絶対に言っちゃダメなんだけど……今行ってる実習先の病院でひまりちゃんを見かけたの」