この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

十二月二十五日。

クリスマスイブもクリスマスも、晴くんは私の病室にきてくれた。クリスマスプレゼントだと言って渡してくれた白いマフラー。ふわふわして、温かくて肌触りがとてもいい。

「あと、これも受け取ってくれるとうれしい」

誕生日に私が突き返してしまったプレゼントを、不安げに私に差し出した。細長い箱。きれいにぬぐってあるけれど、隅っこに泥がついている。

「ありがとう。私、なにも用意してないや……」

「いいって、そんなの。俺が勝手に渡してるだけだから」

そう言われてももらいっぱなしは悪い気がする。なにかお返しできたらなぁ。お母さんに頼んで買ってきてもらおうか。

なんて考えていると、晴くんの顔がすぐ目の前にあって驚いた。

「な、なに?」

「キスしていい?」

「え……!」

後頭部に手が添えられ顔がゆっくり近づいてくる。晴くんの腕には誕生日に私があげたブレスレットが今もされている。

ドキドキしながらそっと触れる懐かしい温もり。晴くんの感触に目頭が一気に熱くなった。

「嫌だった?」

「ち、がう……」

嫌なわけない。晴くんの温もりに安心させられたの。

だけど、いいのかな。このまま晴くんの隣にいて。

「俺の幸せは、ひまといることだから」

まるで私の心を読み取ったかのようにそう言われた。

だけどなにも言えない。そばにいてほしいなんて、私のワガママだもん。

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