KANATA~answers of your selection~
「奏太先輩!」



出会って3日目にしてオレの教室に押しかけてきた。


幸いにも良には見られたが未夢はいなかった。


未夢がいたらどうなっていたことか...。


ひとまず悲劇を免れられた。


けれど、この嵐はまだ収束しない。


解決法は分かってる。


呼べばいい。


自分の名前を唱えるみたいに。


心の中の自分に問いかけるように。


それが出来たら、


彼女の心にも、


自分の心にも、


ノックすることになるのだろうか。


そこから飛び出してくるのはどんなものなのだろう。


溢れてくるのはどんな感情なのだろう。


見たくない。


怖い。


自分と


辻村夏向の


闇に、


過去に、


触れるのが。


でも


目を反らしても仕方ないのか...。



「おい、奏太呼ばれてんぞ!」


「分かってる。ちょっと行ってくる」



オレは決めた。


ドアの入り口に立ち、膨れっ面でこちらを見ている。



「遅いですよ」



後輩のくせに生意気なんだよ...



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