王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



そんな……っ。
こんなやり方イジワルだし甘すぎるよ……っ。


息の仕方もわからなくて、ただどんどん酸素が奪われて、頭がボーッとしてくる。


わたしはこんなにいっぱいいっぱいなのに、芭瑠くんは余裕そうに角度を変えてキスを落としてくる。


「……早く飲まないとずっとこのままだね」

少し唇を離して言ったかと思えば、
またすぐに塞がれて。

「ん……っ、」


ついに限界が来て、ゴクッと飲み込んだ。
それに気づいたのか、ようやく唇を離してもらえた。


「っ、……はぁっ……」

身体の力がグダッと抜けた状態で酸素を取り込む。


相変わらず上から見下ろしてくる芭瑠くんの表情は余裕そうで、ゆっくりわたしの頬に手を伸ばして。


「キスしたあとのその顔たまんないなあ……」

「っ……?」


「潤んだ瞳に、紅潮した頬に、少し濡れたふっくらした唇とか……。

なんかもうぜんぶが僕の理性壊しにかかってる」

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