王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



すると、柏葉さんエスパーなのかわたしが思ってることを見事に読み取って。


「芭瑠さまがいらっしゃらないとさびしいですか?」

と、優しく聞いてくれた。


「……さびしい、です」

芭瑠くんには迷惑だと思って、さびしいとは言わないようにしてるけど、柏葉さんになら言ってもいいかな。

シュンッと落ち込むわたしを見て、柏葉さんは優しく笑いながら紅茶をスッと出してくれる。


「そうですよね。今は少し落ち着きがない時期かもしれませんね。芭瑠さまもいろいろ苦戦されているみたいですし」


「芭瑠くん、大変なんですか……?」


「そうですね……。あまり深くは言えませんが、かなりお疲れになっているかと」

「そう、ですか……」


それなら、ますますさびしいなんてわがまま言えない。


「ただ、今芭瑠さまが頑張れているのは芙結さまがそばにいらっしゃるからだと思いますよ」

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