王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
だから、芭瑠くんにとってもこの選択のほうがよかったんじゃないかって……。
「でも……、芭瑠くんは止めなかったから……。だから、わたしがいないほうがいい━━━━━」
「それは違うよ。芙結ちゃんのことを考えて、何も言えなかっただけだと思うけど」
パッと頭の中に浮かぶ。
あの日の芭瑠くんがひどく悲しそうに笑っていたことを……。
「たぶん、相当いま傷ついて弱ってるよ。
2人の間に何があったか俺はわからないから、あんまごちゃごちゃ言うのは違うからこれだけ聞いて」
「……」
「芭瑠には芙結ちゃんしかいない」
「っ……」
「だから、アイツのそばにいてやってほしい」
御堂くんの言葉が痛いほど胸に刺さる。
わたしだって、そばにいられるならいたいと思うけれど……。
わたしのせいでこれ以上、芭瑠くんが無理をする姿も見るなら、そばにいたくない、いられない。
……矛盾する気持ちが駆けめぐる。