始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『穂乃果さん、大丈夫ですか?飲んでますか?』


輝くんが、隣に座ってくれた。


『うん、大丈夫、ごめんね、ずっと気遣ってくれて…』


『いえいえ、なんか、ほっとけないです、穂乃果さん』


『え…あ、そんなに気にしてもらわなくて大丈夫だよ。輝くんは、みんなと楽しく飲んでね』


有難いけど、やっぱり申し訳なかった。


『僕が…ここにいたら…嫌ですか?』


輝くんは、ゆっくりと言葉をつなげながら、私に聞いて来た。


『嫌じゃないよ、ただ、私はちょっと人見知りするタイプだし、私といてもつまらないから…』


『そんなことないです。僕は、穂乃果さんと話したいです。もう少し隣にいていいですか?』


輝くん…


そんな子猫か子犬みたいな、愛らしい瞳で見つめないでよ…


『あ、うん…』


答え方がわからなくて、そんな愛想のない返事になった。


『穂乃果さん、悠人さんのいとこなんですよね?』
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