ripe不機嫌な俺様彼氏のご寵愛



《《依織、依織、
依織どこにいる。》》

《《何があった?》》

俺は必死に、電話とラインを、
送る。

俺は会長直々の紹介でどっかの
社長令嬢との夕食を急に、
ドタキャンした副社長の
代わりに、会長の知り合いの
社長の娘と合うようにと頼まれた。
依織に合うはずだったが
会長のかっての頼み事だ、
仕方ない。

今日副社長と帰国して
副社長は友人に合うと言って
出ていったきり帰らない‼
何処へ行ったかも、何をしているの
かもわからない目を離したが最後
見当たらない!

仕方なく、渋々俺が会長命令で花火大会へと
出向く事になった。


このまま彼女を置いて依織を探し
には、行けない。

「依織、依織出てくれ。」

気になって仕方がない。
これから飲みに行くつもりの
彼女を無理にホテルに連れ帰り
会長に電話した。

「会長、私は忙しいんです
彼女、 ホテルに送りました、後は
ヨロシク。」

「お、おい山岡?山岡?」

ブチッ!

「チッ依織の奴、何処で泣いて
んだよ。何時と思ってんだよ。」



グスングスン
電車で40分の道のりを歩いて
帰る、とおーい‼
とぼとぼ・・・´Д`ハァ…
ヨロヨロ・・・〃´o`フゥ…

泣き止むと急激に疲れと眠気が
襲って来た。

依織は豪快に泣く。
泣ける場所迄我慢出来る。
幼い頃からその癖がついた、父親と
母親が別れる事になった日から・・・

優しい父親が家を出た日
依織が大声で泣いた。

それを見た母が依織より大声で
泣いた。自分が泣いたら
母が苦しいんだ、未だ小さい妹まで
泣き出した。

強くなろう!
ママを私が守ろう。

そう決心したのは六歳の頃だった。
それ以来、人がいる場所では
泣かないと決めた。

なのに奏月に泣き声を聞かれた、
頼れる人が出来て嬉しかった
依織を守ってくれそうだったから
自分が弱くなっていたんだなぁ

お前、甘いな‼


奏月の浴衣姿は依織にそう言っ
ている気がした。
依織は益々ガードが強くなる。

「シッカリしないと‼」
そう思うと力が出てきた。

携帯には、奏月から沢山の
着信があった。


「もう大丈夫」
奏月の電話に出る勇気が
出て来た!


「い、依織、何があったんだよ。
何処にいるんだよ、」

「花火大会」

「え‼ は、花火大会?・・・って?」

「奏月、帰ってたんだね
知らなかったよ。」

「ゴクッ!・・・
あ・・・れは・・・」


「嘘つきの浮気モノ‼」

「バレてんだよっ‼・・・・・・!
詰めが甘ーい‼ブチ」

その日からエレベーターであえば
依織は端っこに寄り

すれ違いそうになればクルリと
背を向けるようになった。
しかし指を見れば右手に指輪が
収まっている。

それを見れば安心する俺だった。


「山岡、山岡、」

「あ、はい。」


「どーしたの!最近ボーっとして‼
スズメちゃんと喧嘩でもしたの?」

やはり大仏部長には、バレていた。

「分かっちゃいましたか?」
部長は何も言わずウンウンと頷いて
いたが

「モテモテの奏月、
もしかしてフラれたか?」

「フラれた?って言うか、
嫌われたと言うか?」
๑•́₃•̀๑

奏月は事の次第を相談した。
仕事に私情は挟まないつもりで
クールを強めに出して
警戒していたのにモロバレしていた
ようだ。


「会長も会長ね‼
分かった‼奥様に言っておくわ。

まーったく副社長も遊び過ぎ‼
また御曹司連中に引っ張られ
たのね‼
自分の見合いを秘書に丸投げ?
〆ないと、ろくな事にならない
かもね。」

大仏部長は左手を✋に右手を👊
にしてパンパン両手を打ち付けた。


その日の、夕方大仏部長に〆
られた副社長が



「おーい、山岡‼
悪かった‼ 水臭いぞ!

あの子だろ?
なーんか怪しいと感じはしてたよ
総務課の芦田依織、
あの子とよくエレベーターで
会うよな‼」

「え、名前調べたのですか?」

「誤解するな!
社内の女の子には興味ない。」


「それは知っています。
しかし依織はズバ抜けて
可愛らしいので・・・」

「そうだな!しかし
部下の彼女迄手を出すクズ
な事しないよ。
お前が心配するから
大仏部長に頼んである。
部長が取り持ってくれる
ってさ。」

「エーッ、本当に‼☀️」


「大仏部長も同じ年頃の
娘さんが2人いるそうだよ。
任せよう。」

「任せようってもう
部長突撃してるんでしょう。」

副社長は切れ長の鋭い目を
細くして
「山岡も恋するんだな‼
単なる秀才かと思っていたよ。

勿論、俺の右腕と思っている。」


俺は照れ臭くなり
ピッと一礼をして副社長室を出た。

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